なれる!SE2―基礎から学ぶ?運用構築

あらすじ

前作 なれる!SE―2週間でわかる?SE入門 (電撃文庫) の続編。
ブラックSIer企業に新入社員として入社した主人公が、日々の激務の中1カ月耐え抜いたところから物語は始まる。
主人公が所属するSE部はシステムの構築を担当しているが、今回はシステム構築後の運用を担当する部署OS部に引き継ぐ際の様々な問題をテーマに物語が展開される。

感想

構築側、運用側それぞれのリスクに対しての考え方の違いなど、とても感心させられた。以下、主人公の同一部署(SE部)の上司の発言。

「構築にとってリスクというのは必ずしも悪いものじゃない。ハイリスクハイリターン、高リスクの案件はそれだけよい実入りをもたらしてくれる。僕らにとってリスクは克服するものであり、それによって高い評価を得られるものだ。」

「正常に稼働するのが当然。障害が起きたら最後、必死で復旧しても怒られる。もちろん復旧できなければ大問題。報告書どころの騒ぎじゃない。・・・略・・・
全ての懸念点を潰し、石橋を叩いて叩いて叩きまくり、最悪のケースを全部考えつくした上で、はじめて彼らは運用を引き受ける。そうしなければ彼らの業務自体が破綻してしまう・・・」

結局は両者の信頼関係が築かれているかどうかが大切なんだと筆者は唱えているんじゃないかなと読んでいて思った。
どこの業界にいったとしても、人と人との関係を上手く築くことができる技術って必要とされるんだなって改めて思った。
また、何か作る時は、作っただけじゃなくて運用しやすいような設計などを、心掛けていきたい。


それにしても、この会社には優秀な人がたくさんいすぎな気がする。劣悪な環境の方が任される自分の責任やタスクが圧倒的に多いから成長スピードが本当に早いのかな?と多少疑問に思えた。
主人公の吸収力、コミュニケーション力など優秀すぎる・・・羨ましいw

まとめ

前作に引き続きとても楽しく読みやすく読めた。ラブコメ要素が多くなっている気はするけど、それもまた楽しく、勉強になるいい作品だと思う。
次回作の3巻も楽しみ。